ダン・スロット (著), ウンベルト・ラモス (イラスト), ライアン・ステグマン (イラスト)
スーペリア・スパイダーマン:トラブル・マインドあらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
『スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー』に続くシリーズ第2弾!
病に冒されたドクター・オクトパスことオットー・オクタビアスは、スパイダーマンの肉体を奪う事で一命を取り留めた。
ピーター・パーカーの記憶をも手に入れた彼は、スパイダーマンの使命の重さを痛感し、その名を継ごうと決意する。一方、肉体の支配権を奪われたピーター・パーカーは、意識のみの存在となっていた。
ピーターは全てを取り戻すべく手を尽くすが、その間にもスーペリア・スパイダーマン(より優れたスパイダーマン)を自認するオクタビアスは、彼なりの正義を貫き、新たな火種を振りまいていく。
スパイダーマンという器を巡る二人の男の争いは、やがて大きな選択に辿り着くのだが……。
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■感想「正しい」ヒーロー像とは。ピーターの体を乗っ取り、「より良い」スパイダーマンとしての活動をはじめたドックオック。
ピーターの時よりも厳しく犯罪者を取締まり、彼を支持する人が増える一方、「スパイディらしくない」と昔ながらの知人達は怪しみはじめます。
いつも巻き込まれるまでじっとして、犯罪者にも情けをかけていたピーターと、自ら動いて過激な制裁を加えていくオットー。
世間をよくするためにはオットーのほうがより良いヒーローなのかも、と思わせる一方、ピーターの優しさが失われ、スパイディらしさが無くなってしまったとも感じさせる……。
そんななか、昔の発明品が医療に使われていることを知り、治療の手助けをするオットー。
病気で苦しんでいる女の子を救ったことで、ヒーローとしての自覚に目覚めはじめた矢先、みんなに怪しまれていることに気づいたオットーは、ついに頭のなかに残ったピーターを消し去ってしまう。
記憶を消してしまったことで、「ピーターっぽい受け答え」ができなくなったオットーがこれから先、どう切り抜けていくのか……。
オットーの過激なスタイルも、「スパイダーマン」らしさは無くても、ヒーローとしては好きですし、せっかくヒーローに目覚めはじめたのだから、ヒーローとしての活動は応援したい。
けれど、ピーターの体も、人生も、ピーターの物。だからそれはピーターに返してあげてほしい。
どちらの味方にもなりたい、と思わせる展開でした。