トム・キング (著), ガブリエル・ヘルナンデス・ウォルタ (イラスト), マイケル・ウォルシュ (イラスト)
ヴィジョン 2あらすじ引用(引用元:上記リンクのアマゾンページより)
物語は衝撃の結末を迎える――
ヴィジョンは人間になりたかった…「家族」以上に人間的なものがあるだろうか?
かくして人造人間の妻と二人の子供たちとともに<普通>の暮らしをはじめたヴィジョン。
しかし、ある事件を機に、その平和な暮らしは綻びを見せ始める。
そして連鎖的に起きていく数々の悲劇。
もはや後戻りできないところまで事態が行きついたとき、ヴィジョンは対峙することになる…地球最強のヒーローチーム、アベンジャーズと。
***
■感想切ない。でも少しだけ明るい明日が見える。続き待ってました!!
ヴィジョン 1も超面白かったので今回も期待大。そして期待を裏切らない面白さでした。
今回はヴィジョンの弟であるヴィクターが登場。
アベンジャーズA.Iもランナウェイズも現在は未翻訳なのでなかなか見る機会の少ないキャラです。
(アベンジャーズA.Iの前日譚は
エイジ・オブ・ウルトロン コンパニオン収録で翻訳されてますしランナウェイズはテレビドラマ版がありますが)
今回も、前巻に負けるとも劣らない人間らしさ。
「壊れれば、なおせばいい」と前回、ほどけかけた家族の絆の修復につとめようと決めたヴィジョン。しかし今回、「なおせない」状況にぶち当たります。
どういうことかというと、
*****ネタバレ反転****
息子が死にます。****************************
大切なものを失ってしまい、悲しみと復讐心にのまれる彼を、自分の身を犠牲にして闇の底から拾い上げたのは、妻でした。
最後に奥さんが死んじゃうところでヴィジョンが涙を流しているのが最高にせつない。
ヴィジョンはきっと「全部(自分も含めて)救える最善の道」を探していて、奥さんは「自分を犠牲にしてでも残った家族がしあわせになれる道」を探した……のかなあ。
幸いにして奥さんは「なおせる」状態であったようなので、少し明るい(かもしれない)エンドで良かったです。
「優しさ」とは? とか、「普通」とは? とか、あとは作中で数度でてくる曲の歌詞とか、ちょっとしたセリフや小物のギミックが全体を通して深い意味を持つっていうところもすごく綿密で繊細なストーリーでとてもおもしろかったです。