マーク・ミラー (著), ジョン・ロミータ Jr. (イラスト),
ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイトあらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
かつての知人から助けを求められ、日本に向かったウルヴァリン。だが、それは悪の組織ハンドが仕掛けた巧妙な罠だった……。1か月後、重傷を負った状態でシールドに保護されたウルヴァリンは、殺戮と破壊を繰り返しながら米国の機密情報を奪い、逃走してしまう。国家を重大な危機に陥らせたウルヴァリンは、さらにファンタスティック・フォーやデアデビルら仲間だったはずのヒーローたちを次々と襲撃していく。ウルヴァリンの身に起きた事件の真相は? そして“合衆国の敵"となった彼の行く手に待つ運命とは!?
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■感想誰にも御することができない男、ウルヴァリン。ヒーリングファクターのおかげでどんな怪我でもだいたい回復し、アダマンチウムの爪でほとんどの物質を切り裂くことができ、必要とあらば殺人をも厭わない戦士。
設定だけでも「めっちゃ強いじゃん」となるウルヴァリンですが、この彼が「敵にまわったら」ものっすごい脅威となるのは当たり前じゃん……!
そんな恐怖を実際に描いた作品。
味方にいると心強い、敵にまわると怖い。なのですが、僕はそこに
「ただし彼はいつ爆発するかわからない爆弾である」と付け加えたい。
今回の後半でウルヴィは洗脳がとけて、またヒーロー側に戻ってきたものの、その後の行動はわりと自由行動。自分のやりたいように動き回ります。
というか、今回に限らず、ウルヴィってわりといつもそんな感じですよなぁ。
ウルヴァリン:シビル・ウォーなど顕著。
つまり、
味方にいても「思った通りには動いてくれない」。
それは敵に居ても同じで、予測不能ゆえに恐怖だけど、同時に、そこに希望を見出すことができるとも思える。
そんな爆弾のようなウルヴィをじっくり堪能できます。
巻末のワンショットは少し毛色が違って、戦争中のウルヴィの話。
これがなんか、すごい。ウルヴィが一言も声を発しないで物語がすすむのですが、それがめっちゃ雰囲気あって渋い。
無言で圧を放つウルヴィ……。何も言ってないのが怖い。
これ、しゃべってしまうと急にチャチくなりそうだから、無言のアイデアを出したアイズナーは本当にすごいと思う……。