ポール・ジェンキンス
X-MEN ウルヴァリン:オリジンあらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
カナダ西部にある“悲嘆の館”に、領主の息子ジェームズの話相手としてやってきた美しい少女ローズ。病気がちで優しいジェームズ、粗野な使用人の息子ドッグと共に、幸福な子供時代を過ごすローズだったが、幸せな日々は長くは続かなかった。3人が成長するとともに、館に立ち込める憂鬱はますますひどくなり、やがて館に悲劇が訪れる。そして惨劇の中、呪われた少年はついにミュータントとしての能力を発動し……!?
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■感想最高にしんどい(でも好き)え、暗……つら……しんど……
最高に報われない、誰一人幸せにならない絶望の物語だった……(でもめっちゃ好き)ウルヴィのオリジンです。
オリジン、と言ってもこれ全部後付設定なんですよね。ウルヴィはもともと記憶喪失の設定のキャラクターだったので、どうやって生まれたかとかどんな人生だったのかっていうのが何十年も謎のままで、そしてついにそれそ明かそう、ということで後から作られた話がこれ。
もう、なんか、「ローガン……」てなった……。(語彙が死ぬ)Xメンシリーズにおけるローガン、サイク、ウルヴィの三角関係についてですが、翻訳が出ていない部分も多いこともあって、「ウルヴィなんでそこまでジーン好きなん?」と思うことがたまにあったのですが、この作品のメインヒロインで、ウルヴィが(おそらくはじめて)恋をしていた相手が赤毛にグリーンアイの活発な少女だったことで
「もしかして記憶を失ってもこの少女のことはこころのどこかに残っていたのではないか。ジーンにこの少女の面影を見ていたのではないか」と想像させられ、すごく納得がいきました。(実際に、赤毛の女性に心惹かれるのはそのため、とシーズンワンの解説に記載有り)
本来はこころが優しくて、そしてとても、とても強いウルヴィらしさが全編通して表現されていて、後付けでもキャラクターらしさを損ねておらず、素敵でした。
この後ウェポンXになって、(
ウエポンX)、Xメン入りして、(
X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス)、などの経緯を考えると、ここでハッピーエンドにならないのは分かっていましたが、それでもやっぱり結末の切なさがつらかった……。
絵が絵画風だったのも雰囲気を壊さず良かったです。
あと個人的にこの大きなお屋敷に、使用人がいて……という世界観、時代観すごく好き。貴族と平民の格差って良いよね。
作中の時系列においてはウルヴァリンの誕生の物語なので、ウルヴィ入門には、この作品から手にとるのも有りかなと思います。(悲しい物語がお好きであれば)