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キャプテンヴェノネイジィ

翻訳アメコミ(主にマーベル)のレビュー・感想を置くところ。オタクが奇妙なテンションで推しを語ったりするよ! ていうかそれしかしてない! 絶版モノも扱ってます。ネタバレがめっちゃあるのでお気をつけください。

エイジ・オブ・アポカリプス1、2,3

スコット・ロブデル、マーク・ウェイド他
エイジ・オブ・アポカリプス





あらすじ

X-メンの創始者であるチャールズ・エグゼビアがもしも死んでしまったら……?

リージョンの暴走(リージョンクエスト:Marvel X7,8、9)により若くしてエグゼビアが死んでしまった世界、そこではアポカリプスと呼ばれるミュータント至上主義の支配者が、人間を虐殺して世界を征服しようとしていた。

アポカリプスに反するには、生き残った人間と、少数のミュータントチーム。
ミュータントチームの名前は「X-メン」。亡きチャールズの意思をつぎ、チームを結成したのはあのマグニートーだった。

そうして長い戦いは続いていたが、ある時マグニートーの元にビショップという謎の男があらわれる。彼はなんと、「この世界は本当の世界ではない。元の世界ではエグゼビアが生きていて、彼こそがX-メンの創始者である。この荒廃した世界よりも平和な世界があった」と語る。

そしてマグニートーは決意する。今の世界が本当の世界ではないのなら、ビショップの言う世界に戻す必要がある、と。

世界を戻すために、アポカリプスとX-メンの最終決戦がはじまる!

***

■感想

知らない人達が戦っている。

登場キャラがみんな「エイジ・オブ・アポカリプス設定(以下AoA)」になっていて、これまでとまったく別物になっているので、もう、「知らない人たちの戦いを眺めている」という感覚がすごい。

たとえばビーストは敵側(アポカリプス軍)の人になっていて、しかも平気で人体実験してキメラを作り出すド畜生になっていたり、キティやコロッサスが鬼教官になっていたりサイクロップスはなんかすごいヒッピーみたいなワイルドなロン毛になっていたりモネは人間ですらなくなっていたり……。
バンシーはしゅごいゴリっとして、かつ衣装はシュっとして……(語彙)


(画像は引用です。引用元:スコット・ロブデル、マーク・ウェイド他 エイジ・オブ・アポカリプス1より)



キャラデザインが全体的にちょっとダークでパンクな感じになっている印象。
これは多分元の設定との違いを楽しめば良いやつなのかな!?
とりあえずカートがなんかちょいワルみたいな口調になってて可愛いです。
あとナニーがマジのナニー(乳母)になってて微笑ましかった。
それとウルヴィな……ジーンと愛し合ってて……しんどい。(いろんな意味で)

かなり荒廃した世界観で苦戦を強いられるので、シナリオに重たい感じはありますが、虐げられてた者たちが勝利のために戦う姿はとてもかっこいいです。

「おのれの正しさを信じるものが居る限り、戦いは続くのだ……」

「どんな世界であれ苦悩はつきものだ。だがこの世界では望むべくもなかった可能性が、お前の世界にはある。それは未来だ」

などなど、苦境から立ち直ろうとするストーリーだからこそ印象深い、かっこいいセリフが目白押しです。どこ読んでもかっこいいは……。

X-メンがもともと好きだったり、特に好きなキャラがいる人にとっては、IF世界で新鮮な立ち位置の彼らを楽しめると思います。
好きじゃなかったら結構読むのしんどいので気合が必要です……。物語の重さに加えて、設定の把握にも結構頭を使いました。

一巻に収録されてるのは、
・プロローグ的なもの
・ローグチームがメインの話(アストニッシング・X-メン)
・クイックシルバーチームがメインの話(アメイジング・X-メン)
・コロッサスチームがメインの話(ジェネレーション・ネクスト)
・AoA世界の設定資料的なもの(ザ・チョーズン)
です。

■個人的見どころ


(画像は引用です。引用元:スコット・ロブデル、マーク・ウェイド他エイジ・オブ・アポカリプス1より)

できるできる! やればできる! 諦めんな! もっと熱くなれよ!! 的な理論を唱えるマグナス。
根性論でできたら苦労はせぬのですが。




エイジ・オブ・アポカリプス 2





***

■感想

徐々に盛り上がってまいりました!

前巻に比べて、「これから勝ちに向かうぞ!」て感じのが多くて読みやすいと感じたのですが、これ編集というか構成がうまいんですかね?

なんとなく、ちゃんと時系列順に読めるようになってると感じたのですが、これ本来なら全部同時連載してたやつなんですよね多分。
読みすすめていくうちに設定を徐々に理解していってるからだんだん読みやすくなってると感じる部分もあるのかな?

今巻収録はウルヴィ、サイクのXメン二大巨塔がメインの話に加え、個人的推しのネイトがメインの話も収録されてて読み応えあった……。

ウルヴィの話で、世界を救う手助けをするのにノリ気じゃないゲートウェイを説得する場面がとくに印象深い。
大量に人間が虐殺されてる映像を見せても「それが人間の本質だ」的な感じで興味がなさそうだったゲートウェイに、「一人の少女が殺される場面」を見せ、また、彼女の日記を手渡し「顔もしらない一万人のために助けてくれって頼んでるんじゃない。17の春を迎えられなかったジョディ・クレイグのために頼んでるんだ」と言うシーンはとても効果的で良かった。

実際の統計として「恵まれない子どもに愛の手を!」と募金を募るより、「◯◯ちゃんの心臓手術を助けて!」と具体的な個を提示したほうが、募金がたくさん集まるんですよね。
それと同じことをしたウルヴィと、それによって心動かされたゲートウェイ。なかなか何考えてるのかつかみにくいゲートウェイの人間らしさが垣間見れました。

二巻に収録されてるのは
・ウエポンX(ウルヴィ)がメインの話(ウエポンX)
・サイクロップスがメインの話(ファクターX)
・ネイトがメインの話(X-マン)
・1巻よりも前の話(X-メンクロニクル)
です。





エイジ・オブ・アポカリプス 3




***

■感想

マグナスかっこよすぎてギルティ。

ついに最終巻です。これまでわちゃわちゃしてきたのが集結してついにアポカリプスと全面衝突です。
各チームがやってきたことの点が全てつながって線になります。
特に重要なのがコロッサスチームとナイトクローラーチームとガンビットチーム。
彼らが持ち帰ったキーアイテム&キー人物のちからを使って、ビショップを過去に送りエグゼビアの死を阻止します。

それを達成するまでのあいだに他のXメンチームは時間を稼ぎ、達成されたら世界がもとに戻る(AoA世界が消滅)でおしまい。

結果的にこの世界は終わってしまうのでハッピーエンドかと言われるとそうでもないのですが、このビターなエンドだからこそかっこよさが半端ない。

最終的にアポカリプスを倒したから、この世界でも「アポカリプスの支配」からは逃れられた。だからこのままこの世界を復興させていけば明るい未来があったかもしれない。
だけど、あえてそれは望まなかった。自分が今いる世界が終わるのに、泣き言はひとつも言わず、世界の終わりを見つめたマグナスが特に良き。
彼ってば最初から「間違った世界なら、元に戻すべき」ってずっと言い続けてたんですよね。
その初志貫徹がとてもかっこいい!!

「キャラがみんな知らない人みたいになってるよぉ」とか最初は思いましたが、ずっと読んでいるうちにこっちのキャラにも愛着がわいてきて、最後はむしろ「終わってしまうの……(泣)」みたいな感じになりました。
これが39冊分の重み……。

大変おもしろかったです。

あとこれやっぱり編集というか、載せてる順番が良いですね。
最後まで読んでから全ての話を思い返すと、収録順が苦境→希望みたいな感じになってて。最初は地味めな話を収録して、最終巻はキーアイテムを手に入れる話を収録して、って感じで盛り上がるようになってるなと感じました。


三巻に収録されてるのは
・ガンビットがメインの話(ガンビット&X-ターナルズ)
・ナイトクローラーがメインの話(X-カリバー)
・最終決戦(X-メンオメガ)
・ミュータントじゃない人達(トニー、バナー、ドゥーム様など)の話(X-ユニバース)
・1巻よりも前の話(X-メンクロニクル2)
です。


■個人的見どころ

マグナスのかっこいいシーン。
このシーンを見て、あまりにもかっこよすぎたため、マグナスが好きになりました。
それまでは普通って感じだったのですが撃ち抜かれてしまいました。


(画像は引用です。引用元:スコット・ロブデル、マーク・ウェイド他 エイジ・オブ・アポカリプス3より)


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Dr・ドゥーム、シンビオート、ケーブル、ロケット、デップー、スパイディあたりが特に推しです。アイアンマン、タスクマスター、マグニートー、ナイトクローラーもちょろちょろと追いかけてます。

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