マーベルグラフィックノベルコレクション■感想
29号はデーモン・イン・ア・ボトル
名作と名高いこのエピソードがはじめての翻訳!と喜びいさんだところ、ショープロさんのほうでも翻訳されてかぶってしまうという。
参考:
ベスト・オブ・アイアンマンしかし2社には大きな違いがあって、ショープロさんのほうはアイアンマンの短編集という形で、他の話と合わせてデーモン・イン・ア・ボトル単話のみが収録。
こちらはデーモン・イン・ア・ボトルの前10話ほどからが収録されているので、1話だけで良いならショープロ版、このエピソードまわりのことをより深く知りたいのであればこちらを選ぶと良いかと。
こちらの方は、デーモン・イン・ア・ボトルへ向かう流れがしっかり収録されています。
信頼していた人達に裏切られ、アイアンマンとしても実業家としても徐々に自身をなくしてゆくトニーの様子と、それに反比例して増えていく酒の量。そして決定的な商売敵、ハマーとの戦い。
トニーのなかの人としての弱さや、アイアンマンとトニーというふたつの存在のあいだの揺れなど、彼の心理状況がとても興味深い作品でした。
最後に酒を克服したトニーの言葉「いろいろと抱えていた問題は今となってはたいしたことないように思える」というのは、一度どん底まで堕ちて這い上がった経験がある人なら共感できるものがあるのではないでしょうか。