カイル・ヒギンズ (著), ロッド・レイス (イラスト),
ウィンターソルジャー:セカンド・チャンスあらすじ引用(引用元:上記リンクのアマゾンページより)
キャプテン・アメリカの相棒として戦場を駆け抜けたバッキー・バーンズ。
ナチスドイツの降伏直前、北海に消えた彼はソビエトに回収され、暗殺者ウィンターソルジャーとして蘇った。
幾多の任務をこなし、裏社会の伝説となった彼は、かつての親友であるキャプテン・アメリカの助けで、バッキーとしての人格を取り戻したが、犯した罪への後悔の念が消える事はなかった。
己の過去を悔いた彼は、同じく過去の犯罪と手を切ろうとする者の支援プログラムを開始するが、そんな彼を待っていたのは、かつての自分を彷彿とさせる、暗殺術を叩き込まれた少年だった……。
ウィンターソルジャーの新たな旅立ちを描く最新作が登場!
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■感想誰だって、やりなおせるはずなんだ!「セカンドチャンス」という言葉があります。キリスト教の概念で、難しいことは置いといて簡単に説明すると、
「だいじょぶだ、人はやりなおすことができるんだ!」という感じの概念です。
罪をおかしたとか、薬におぼれたとか、何らかに失敗した人でも、もう一度まっとうにやり直すことができるよ、というときに使われることが多いようです。
さて、ウィンター・ソルジャーの話に戻りますが、バッキーは、いわば、「一度失敗した人」です。洗脳されていたとはいえ、たくさんの人を暗殺してしまいました。
そんな彼が、今、ヒーローとして活動している。これはある意味セカンドチャンス中なわけです。
そして、彼は自分と同じように、「悪事に手をそめてしまった人」が更生する手助けをはじめます。
ここまでのあらすじですでに良い話! すでに面白いんですがこれは……!!(名作の香りがする)
序盤の、警官を助けたあとバイクの後ろに乗せて走るシーンは、キャップのバイクの後ろにのる少年時代のバッキーを思い出して……なぜか切なくなってしまいました。バッキーの人生もほんといろいろあったよなあ……。
(まだ、開始11Pで!)そして出会うことになる少年RJ……
この子がめちゃくちゃ良いぞ!!!!!少年兵だった頃のバッキーと同じ衣装を着てあらわれるRJは、ハイドラで暗殺をしています。
好きか嫌いかではなく、「うまくやれる」から殺しに手をそめる少年に、バッキーは手をさしのべる。そしてRJのほうもだんだん心ひらいていく……。あ~~~っ!良い!すごく!
王道、定番。それが良いんだ!
(画像は引用です。引用元:カイル・ヒギンズ (著), ロッド・レイス (イラスト),
ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス)
このカバーもめちゃくちゃ良いッ!軽快に飛んでいる二人のポーズや、背景のオレンジに染まる空と町並み……。
ここにちゃんと世界(空間)があり、今この瞬間、ふたりは同じ場所にいるんだ、という感じで。
ドラマチックな演出がなされているように感じます。
しかしここにきて、RJの父親だという男があらわれる……。
そして紆余曲折の末、バッキーとRJの道は分かたれてしまう……。
「セカンド・チャンス」として成功しているように見えるバッキーも、今でも心のなかでは自分を責め続けている。
そんな気持ちを、RJには味わってほしくなかったけれど、うまくは行かない。
それでも、また新たな依頼を受け続けるバッキー。いつか彼の心が安らげるときは来るのでしょうか。
とても切ない、バッキーの苦悩の話でした。面白かったです。