ニック・スペンサー (著), ラモン・ロザナス (イラスト),
アントマン:セカンド・チャンスマンあらすじ引用(引用元:上記リンクのアマゾンページより)
投獄、離婚、そして死……。数々の悲劇に見舞われてきた2代目アントマンことスコット・ラングは現在、無職。全うな暮らしを送ろうと努力を重ねるものの、生来の飽きっぽい性格故にヒーロー仲間からさえも疎んじられる毎日。そんな彼の唯一の慰めは、娘であるキャシーの笑顔だけだった。だがしかし、そんなささやかな幸せにさえ終焉の時はやってくる。キャシーとの別れを前に、あらゆる困難から逃げ続けてきた男が下した決断とは……?
映画化で俄然、注目の"小さな巨人"アントマンの新たなる旅立ちをユーモアとペーソスを込めて描く話題作、早くも邦訳!
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■感想がんばれスコットおじさん!映画でまさかの主役に大抜擢された二代目アントマンことスコット。
これまでコミックではピム(初代アントマン)のほうが出番が多かったですが、ついにスコット個人を掘り下げる個人誌が登場。
今回、ストーリーのメインになっているのは、スコットの人生の立て直しの部分。もともとが盗んだスーツではじまったヒーロー生活。その途中で一度死んでしまい、せっかく生き返ったのに、今度は大事な娘が死んでしまう。
一度は打ちひしがれたスコットですが、
いろいろあって娘も生き返り(アメコミではよくあること)、人生を立て直そう、とまずは就職するところからスタート。
やぁ、良いですね、スコット。この普通っぽい感じがとても良いです。
就職活動の履歴書をキンコーズで印刷してくるところとか、離婚した元妻との間にいる愛娘に喜んでほしくて、無職でお金ないのに頑張って娘の好きな映画のチケットを買ったりとか。
(そのせいで歯磨き粉が買えなくて、スーツで縮んでチューブの中に残った分で歯磨きしてる)
この、どこにでもいそうなちょっとだめな親父感がすっごい良いな~。
そんでなんか、人生やり直せるんだ、がんばるぞ!っていう、諦めない感じが良い。
ベストエンドにはならなくても、ベターな道は進めている気がする。
人生ってそんなもんだよな~て感じある。
スコットは会話が下手な部分が面白いw
”アントマン”を狙ってやってきたグリズリーとの会話とか正直すぎて笑ったw
スコット「どんな奴だった?」グリズリー「クズだな」スコット「皆そうだからな……」(アントマンは歴代で何人もいて、クリズリーと因縁があるのはスコットではないアントマン)
その他、「歴代アントマンはだいたい死んでるか闇落ちしてる」って言っちゃったり、
面接で経歴の空白を尋ねられたときに「死んでたので」って答えちゃうところとか、いちいち正直に言い過ぎてて可愛いw
ある意味、すぐ死んだり生き返ったりするヒーローへのメタ発言か。
何かもっと良い言い方あるだろ、と思ってしまうような、不器用な会話が「ちょっとだめなおじさん」感を増している……w
最終的に、「襲ってくる悪などから守るために、大切な人から離るべきかどうか」という、たくさんのヒーローが迫られてきた選択によって、娘の側を離れることを決意。
娘の幸せを遠くから思い続けながら、仕事頑張ってほしい!
良い話だった……!