ブライアン・マイケル・ベンディス (著), アレックス・マリーブ (イラスト)
ムーンナイト/影あらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
自身の内なる声に悩まされつつ、人類にとってとてつもない脅威である殺人事件ロボット=ウルトロンの壊れたボディを巡って、その強奪を企む強力な悪漢カウント・ネファリアに、徒手空拳で挑むムーンナイトに勝機はあるのか?
そして、元アベンジャーの孤独なヴィジランテ、エコーことマヤ・ロペスとのロマンスの行方は?
映画の都ロサンゼルスを舞台にした、一際異彩を放つヒーローの活躍を見届けよ!
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■感想特別な力は無くても、ヒーローになりたいヒーロー。前編で「なんか暗くて陰鬱な感じ」と言いましたが、後編はアクション多めで派手です。
前編ですでに必要な情報提示は終わっているので、後編はただただ流れるように解決に向かってすすんでいって終わり!
で、「おぉ、
前編なんかモヤモヤしたけど、ちゃんと後編まで通して読めば面白かったな。かっこいいじゃんムーンナイト!」となります。
ムーンナイトは、作中で何度か「イカレ野郎」的な扱いを受けます。
実際に精神病患ってるのでイカレてはいるのですが、そういう意味ではなく、「自分の手におえない敵(案件)」に向かっていこうとする部分。そういう部分がイカれている。という評価を受けています。
ムーンナイトにはたしかにスーパーパワーは無く、しかも格闘術なども一流ヒーローのまねっこでしかないです。(スパイディのウェブシューターやウルヴィの爪に似たものを”装備”しているだけで、ムーンナイト自身の能力ではない)
しかも知名度も低く、
「誰お前?」的な感じです。
一方で、敵となるのはカウントネフェリア。ひとりでアベンジャーズとも戦ったことがあり、
(一説によると)ソーとも互角だと言われているほどの一流ヴィラン。ネフェリアは
X-MEN:アンキャニィ・ジェネシスなどにも登場。
まわりからは「お前の手にはおえないから、アベンジャーズに連絡をしろ」とアドバイスされますが、ムーンナイトは無視して突っ走ります。
その結果、恋人になりかけた女性が死んじゃったりするのですが、最終的には決着をつけて、アベンジャーズメンバーにとっても有益になる状況へ持ち込みます。(なおこの、恋人になりかけた女性というのはエコー)
ムーンナイトは「より良い世界をつくれ、と脳内に声がする」と、自分がヒーロー活動をする理由を語ります。それだけ聞くと完全に頭おかしいだけの人なんですけど、執念と呼んでも良いほど実直に行動し、ちゃんと結果もついてきているのなら、それはもう他のヒーローと変わらないでしょう。
ホークアイだって能力としては常人ヒーローですから!精神病の多重人格については、最後まで治ってません。あいかわらず脳内には三人のヒーローが住み着いています。(途中で交代はおこるけれど)
全体的に小規模(事件が起きる場所もいつもの中心地ではないし、ヒーローも能力や知名度的に二流と言わざるを得ない)がゆえに、「端役で足掻く姿」みたいなものにかっこよさを覚えました。