ブライアン・マイケル・ベンディス (著), アレックス・マリーブ (イラスト)
ムーンナイト/光あらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
キャプテン・アメリカ。ウルヴァリン。スパイダーマン。 彼ら3人のアベンジャーズは、バックアップにするには最高にパワフルなヒーローたちだ。ただ問題は、彼らはムーンナイトの頭のなかにだけいるということ。つまり彼らは、ムーンナイトことマーク・スペクターの統合失調症が見せる幻覚だったのだ……。
なんとか心のバランスを取り戻そうとしていたスペクターの前に、危険な行動に出た犯罪組織のボスがいた。一時的に機能停止に陥ったウルトロンのロボット・ボディを売買しようというのだ。はたしてムーンナイトは正気を取り戻してこの危険な行為を阻止できるのか!?
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■感想これは好き嫌いが分かれそう。ネットの評価を見ていると
「比較的評判が良くて、翻訳シリーズも二冊で完結していて、他のヒーローとの絡みなども少ないからこれだけで読める」って感じで初心者におすすめされがちなムーンナイト。
でもちょっとまって、
その条件、「この雰囲気が好きなら」って前提が必要かも。すごく……独特です。心のなかにある他の人格と脳内で会話をしている精神異常者ヒーロー、という設定だけを見ると、
デッドプールのようなのを想像するかもしれないですが、なんか全然違います。どこか陰鬱な感じがしますムーンナイト。
スーパーパワーも無く、敵味方からわりと「お前誰?」感ある扱いを受けていますし、あんまりスカっとハチャメチャな雰囲気はありません。
彩度が低いというのか、どこかグレーがかった印象でモヤモヤとしたまま話がすすみます。
でもそれが悪いわけではなく、キャラクターや物語にはめっちゃ合ってる感じ。不思議な雰囲気が漂う独特な作品。
どこがムーンナイトの妄想でどこが現実かの線引がだんだん曖昧になってくる……。
ひとつ難点を言うならば、翻訳がちょっとややこしいというかまわりくどいというか。
わかりにくい言い方をしてる部分が多くてつっかかります。
ところでこれは
「ムーンナイトはこういうキャラだよ。こういう敵とたたかうよ」というのを教えてくれるための前編なので、後編の「ムーンナイト/影」でこの作品の本当の感想を述べようと思います。これ、全部前フリ。