フレッド・ヴァン・レンテ (著), へフテ・パロ (イラスト)
タスクマスター:失われた過去あらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
『写真的反射能力(フォトグラフィック・リフレクシズ)』を武器に、数多のテロリスト集団や犯罪組織で戦闘教官を勤めたトニー・マスターズことタスクマスター。
ある日、裏切りを働き、アベンジャーズに与しているという噂を流され、10億ドルの賞金首となってしまう。自らが育て上げた教え子達から命を狙われる…そんな戦いの中で、自分自身の記憶にまつわるとんでもない事実が明かされることに!
伝説の傭兵の悲哀を描いたマスターピースにして、小社読者アンケートで長らく邦訳化を切望された人気タイトルが遂に日本上陸!
タスクマスターは瞬間記憶をもっていて、どんな敵の技でも見るだけで覚えれます。けれどそのせいで普通の記憶が残らなくて、自分がどこの誰かが分かりません。
できることといえば、いつも記憶のなかにある電話番号に電話をすること。そうすると、とりあえずいつも指令がもらえるので、それにしたがって働きます。
今回の話は、タスクマスターは自分の記憶を取り戻したいと思って、記憶の頼りになりそうなカフェ(なんか懐かしい感じがする)に居るところからはじまります。
そこで何か思い出せないかなと居座っていたら、敵がやってきて襲われます。
そのときにたまたま側にいたウェイトレスが巻き込まれて、ふたりはその流れで一緒に逃げることになる。
そうしてタスクマスターとウェイトレスの女は、相棒のように、一緒に、タスクマスターの記憶のたよりになる場所を巡る。
その途中で、タスクマスターは、「自分が何者なのかわからない。けど、悪いことをしてたような気がする」と言う。
ウェイトレスは、「そんなことないよ。良い人だよ」て言うけど、分からない。
ふたりはいろんな場所を転々とするのだけど、どこにいっても敵が追いかけてきて、二人は襲われる。
いくつかの場所を巡ったあと、最後の場所で、タスクマスターは女に銃を向けて「なんかお前の声には聞き覚えがある。お前は誰なんだ。お前が居場所の情報を流してるんじゃないのか」と言うのですが、その女の答えはあまりにも意外なものだった……。
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■感想全力で切ない……。切ない話好きな人はぜひ読んでこれしんどい(褒めてる)。
これはなんか、「ヒーローかっけーイエエエ!」みたいなノリが好きではない人や、オトナの女子も楽しめるのではないですか?
しっとりとした映画みたいです。
ラスト10ページがもう全部ヤバイ。敵にボコられながら
「もう君のことを忘れたくない。二度と。絶対に」で「ひィイめっちゃ……かっこいい」てなってからの結局技盗んでそのあとのメルセデスの「新しい技を覚えたみたいだけど…その代わりに他の記憶が消えたりはしてないでしょ? その…私のこと覚えてるわよね? ねえ? トニー?」の語りかけのあとの無言で立ち去ってからメルセデスの失意のコマがドーーーン!!!!!!!!!!(心にズーーーン!!)
そのあとのメルセデスの独白もヤバイ。
「私の夫だから。私だけは絶対に彼を忘れない」こんなん……こんなんもう!! 切ねえ!!
自分のことを覚えていない夫を、それでも愛しているから、何度も、何度も、他人のふりをして側にいるメルセデスヤバイ。業が深い。しかもその夫がどんどん悪にそまっていって自分を見る目が冷たくなっていくのに。
いつまで繰り返すんだ……死ぬまでか……。もしかして元に戻るかも、という望みはもう無いのかな、あるのかな。
は~~~~ この夫婦ヤバイ切ない!!