マーベルグラフィックノベルコレクション■感想
94号はサノス・インペラティブ
永遠の生が存在するキャンサーバース(ここでは死が存在しない)が
我々の宇宙へ攻めてくるのをどうにかする話。
対抗できるのは絶対的な死の化身であるサノスだけ。
ものすごくざっくり言うとこのような展開なのですが、さすがにそこまで単純に話がすすむはずもなく。
サノスを絶対に殺したいドラックスの存在や、サノス自身の思惑、それからキャンサーバースの黒幕(マー=ベル)が複雑に絡み合います。
流石のスケールで描かれる本作は、ギャラクタスやシルバーサーファーのほか、概念を擬人化した存在達やクリー、シーアなど宇宙を代表する存在達も登場の大ボリュームです。
死が無い世界で何度もよみがえるキャラクターたちは実質ゾンビなのでゾンビ物のフレーバーも味わえるうえ、生が溢れる世界にはクトゥルフ神話のような怪物も溢れていてとにかく盛沢山で味が濃い。
大迫力のアクションにあわせて、どこまでもデスに焦がれるのに、自身は望んでも死ぬことができないサノスの切なさも堪能できます。
登場人物や設定の多さで複雑化している部分もありますが、それゆえ濃厚な一冊ともいえると思います。