マーベルグラフィックノベルコレクション■感想
67号はハワード・ザ・ダック
奇想天外な冒険譚と強烈な社会風刺の融合であまりに尖った方向性の物語。
なのに面白い。
ひょんなことから人間の世界へやってきたハワードですが、悪と戦ったりお金に困って職を求めたり、中身は意外と常識人というか、普通の考え方を持っているように思います。
彼が元居た世界も、生き物の姿こそ違えど我々の世界ときっと似ていたんだろうなと想像できます。
そんな人間くささをもった彼ですが、戦う相手は奇想天外。
カエルのモンスターや牛の吸血鬼にはじまり、街の悪人、はてには社会まで。
ファンタジーな冒険をしたかと思えば、大統領選挙に担ぎ上げられて、振り幅がすごいです。
ハワードのコミック、という形を借りての作者の叫びがついにはまるまる一冊になりもする。
他に類を見ない独特の作品で、カルト的人気を誇ったというのも頷ける空気感を持つ作品です。