マーベルグラフィックノベルコレクション■感想
52号はライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル Part 1。
次いで61号はライフ&デス・オブ・キャプテン・マーベル Part 2。
サノスの初登場から、収録です。
そのサノスがコズミックキューブを探して地球を狙い、それを阻止するためにキャプテンマーベル(と、仲間たち)が立ち向かう。
初期の段階ではマーベルに力が足りないため、途中で覚醒イベントが入ります。
修行をして徐々に強くなる、というのが日本の漫画の定番のように思うのですが、そこはアメコミ。
修行ではなく不思議な存在に呼ばれ、そこでやや哲学的な話し合いがはじまり、内面と向き合うことで力を授けられて強くなります。
時間をかける修行より圧倒的に早くて建設的です。
ドラックスやアベンジャーズ達も加わり、強大な敵サノスとの決戦。
宇宙規模での派手な戦いが繰り広げられる一大アクション冒険譚……だったところが。
最終盤になって、タイトルにあるライフ&デスの真の意味を読者は知ることになります。
中盤で、自身の内面と向き合い、新たな存在となったことがライフ&デス、なのかと思っていたら、そんな話ではありませんでした。
最終盤、マー=ベルが真の死を迎えます。
なんと、癌によって。
いくつもの戦いをくぐり抜けてきたヒーローも、病には勝てませんでした。
自身の人生を思い返しながら徐々に弱っていく姿。彼を看取ろうと集まった多くのヒーロー達とともに、物悲しい気持ちになりました。
ただただしんみりと、静かに見守る人々のなかで、唯一、再び彼を戦いへ駆り出したサノスの行動は、サノスなりのエールだったのかもしれません。
マー=ベルにこれまであまり触れてこなかった方でもきっと最後には感じ入るものがあるはずです。
2冊にまたがる長編のあいだに彼への親近感が湧き、それによって最後がより際立ちます。
優れた作品でした。