カール・ポッツ他 (著), フアナン・ラミレス他 (イラスト)
ホワット・イフ? side A あらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
最新シリーズから「もしもフラッシュ・トンプソンがスパイダーマンだったら」「?もしもX-MENがサイバーパンクだったら」「?もしもピーター・パーカーがパニッシャーだったら」?の3編。過去のシリーズから、第1作「もしもスパイダーマンがファンタスティック・フォーに加わっていたら」「?もしもデアデビルがS.H.I.E.L.D.のエージェントになったら」「?もしもキャプテン・アメリカが80年代に復活したら」?の選りすぐりの3編を加えた全6編を収録。 マーベルの新たな一面を発見できる人気シリーズが、ついに初邦訳!
■感想
二次創作で鉄板ネタの「もし○○だったら?」を公式がシリーズとしてやってるんですよMARVELは!好きな作品の「もし○○だったら?」っていうの、一度は想像したことあると思うんですけど(無いですか?)、そういうネタが公式から提供されるって、一種の答え合わせみたいでおもしろいですよね。
自分では思いつかなかった「もしも」のシチュエーションも見れたりして。ファンフィクコミュニティを見ているような感覚。
公式でも「正史」ではないから、あくまで「回答のうちのひとつ」ではありますが。多元宇宙は無限に広がりますので。
そんな公式の「もしも?」を6編あつめた短編集です。
・もしもフラッシュがスパイダーマンだったら?
ヒーローでありたい、自分はヒーローなのか? と悩むピーターと違って、自信にあふれるフラッシュスパイダーマンはかっこいいんですけど、しかし若さゆえなのか、やりすぎ感がありました。エージェント・ヴェノムのように、人間的に成熟すればもっとちゃんとヒーローらしいフラッシュになっていたのかもしれませんが……。なんとも言えない切ない結末でした。
フューリーウォッチャーが新鮮。
・もしもXMENがサイバーパンクだったら?
これはこれでおもしろい。これがシリーズ化しても全然良いレベル。途中のアーティストさんが日本の漫画っぽい絵柄だなとおもったら大友さんに影響を受けているらしく、納得。日本人にも馴染みやすい絵柄で読みやすかったし世界観も面白くて満足度が高かったです。
・もしもスパイダーマンがパニッシャーだったら?
ピーターはこうして一般的な幸せを掴んだとしても、フランクの運命はどうあがいてもパニッシャーなんだなと思うと切ない。彼が救われる道も、別のIFであればいいのにな。
・もしもFFにスパイディが加入したら?
スパイディが正式メンバーになることでスーの居場所が無くなってしまう話。活動としてはチームアップと似た感じなのだから、別にスーが疎外感を感じる必要は無いような。繊細な乙女心というものでしょうか。ひとつ違えばネイモアさんと結ばれることがあったのかなあという視点で見るとFFメンバーの絆のバランスって絶妙なんだな。固い絆だけど天秤にゆられているような。
・もしもマットがDDにならなかったら?
結局盲目と超感覚は得るので、活動する場所が変わるだけな感じ。正式な訓練を受けてシールド隊員になったことで、きっとメリットもデメリットもあるんだろう。でもこれはこれで有りな世界線。
・もしもキャップが80年代に復活したら?
ニセキャップVS真キャップ。キャップVSキャップは
シークレット・エンパイア2でもありましたが、わりと政治色が強い話で、今回もそう。やはりキャップ=アメリカの象徴、となると、お国関係の思想は避けて通れないのかなと。当時の情勢などを思いながら読むと大変勉強になりました。
どれもバラエティ豊かで、短編としての読み応えもありおもしろかったです。
続刊も楽しみです。