エド・ブルベイカー (著), スティーブ・エプティング (イラスト), マイク・パーキンス (イラスト), ブッチ・ガイス (イラスト), ロバート・デ・ラ・トーレ (イラスト)
デス・オブ・キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリームあらすじ引用(引用元:上記リンクページより)
全米を揺るがせた国民的ヒーローの死に始まる新たなる英雄伝説、いよいよ完結!
シビル・ウォーの果てに政府に投降したキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース。
全米注目の初公判が始まろうとしたその時、凶弾が彼の胸を貫いた。
運命の引金を引いたのはレッドスカルの部下ドクター・ファウスタスに洗脳された、ロジャースの恋人シャロン・カーターだった。
謎の暗殺犯を追ったバッキーとファルコンらは、全てはレッドスカルの策謀だった事実に気づく。
一度は対立したものの、亡き友への友情で結びついたバッキーとシールド司令官トニー・スタークは、共にスカルの陰謀の粉砕を誓い合う。
しかし、スカルの魔の手はシールドを蝕み、シャロンをもその手中にしていたのである。
スティーブ・ロジャースの子をその身に宿した彼女を……。
***
■感想デス・オブ・キャプテン・アメリカ:デス・オブ・ドリームからの続き。
前巻はキャップ(スティーブ)の死の衝撃が大きなテーマだったように思うのですが、今巻は新たなキャップ(バッキー)の成長がテーマなのかなと感じました。
キャプテン・アメリカの衣装と名前を受け継いでも、スティーブのようには行動できないバッキー。守るべき市民にも「コスプレ」呼ばわりされて認められない。まだ最初だから仕方ないというのはあれど、前任がすごすぎたからどうしても自分と比べてしまう。
けど、中盤でファルコンと行動をするようになって以降、徐々に馴染んでいくバッキー。
記憶も友達も何もなかったバッキーがファルコンという相棒を得て少しずつ信頼を強めていったり、過去に恋人だったナターシャとも関係が復活したりして、いろんなものをひとつずつ得ていくのを見守っていると、なんだか親心的なものが湧いてくるw
50年代のキャップと戦うことで過去を乗り越えるところはもはや少年ジャンプのような熱さすら感じた。バッキー主人公すぎる!
最後はみんなに新たなキャップとして認められ、めでたしめでたしで感動しました。
スティーブは遺言でバッキーを心配していたけど、彼は立派にやってますよ……!巻末オマケではバッキーがキャプテン・アメリカとして銃を持つことについてインタビュー。
キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャーにて、洗脳されて殺人を犯すバッキーについてのシャロンとスティーブの会話で、バッキーを責めるシャロンに対し、キャップは、
「君は引き金をひいた人間ではなく銃を咎めている」とバッキーをかばいます。
そして今回バッキーは、インタビューに対し、「銃は道具にすぎません。(中略)この銃に込められているのは弾丸だけだとお思いですか?」と答える。
それはつまり、
道具は誰がどんな意思を持ってどのように使うのが大事か、ということ。
新たなキャプテン・アメリカとなったバッキーは、スティーブとは違う人間であるけれど、キャプテン・アメリカという名前のもと、スティーブの意思を継いでヒーローとして行動するという決意のあらわれに思いました。