マーベルグラフィックノベルコレクション■感想
59号はアメイジング・スパイダーマン:レベレーションズ&アンティル・スターズ・ターン・コールド
ピーターの正体がメイおばさんにばれた直後の話です。
スパイダーマンとしての普段の活動をしながら、ピーターとメイ、それぞれが「知ってしまった(知られてしまった)」事実にどう向き合っていくのかという動きが描かれます。
驚いて心臓発作で倒れてしまうのではないか、そんな危険な活動はやめろと怒るのではないか。
ピーター(と、これまでのメイを見てきた一部の読者)の予想を大きく裏切り、メイは全てを受け入れ、許すように努力し、さらにはスパイダーマン肯定派へと転換。
メイの、親としての大きな愛がうかがえて、彼女の印象が大きくかわりました。
スパイダーマンにおいて、ピーターの大切な人、としての役割が大きいメイでしたが、ここで、それだけではなく「メイ本人」としての人物像がとても深まった気がします。
メイは強く正しく、とても愛情深い人だった。
あまり描かれてはこなかったけど、彼女とてあの年齢まで生きた女性なのですから、それもそのはずなのですが、実際に目にすると実感がわきます。
スパイダーマンアンチのメディアを解約し、印象を良くするために暗躍する姿はまさに「子を応援する親」という感じでおもしろかったです。したたかなところも持ち合わせていて、とても魅力的な人だと思いました。
彼女にとっての「大いなる責任」は、きっとピーターを肯定することなのかもしれません。